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そしてアジアサッカーだけが取り残された?~日本代表対ウクライナ代表を観て雑感

サッカー関連
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驚異的なスピードで進化するヨーロッパサッカー

 

関連記事:日本代表対ウクライナ代表マッチレビュー~たとえハリルホジッチが無能だったとしても…

 

ウクライナ戦を終えて、メディアはハリルホジッチを集中砲火。まさに言いたい放題である。確かにW杯に出れないチームに力負けという内容で、ポジティブな点は少なかった。そんな中で、個人的に強く感じたのは、「ヨーロッパサッカー全体のレベルの高さと成長速度の速さ」である。

よくアジア予選の時に民放のアナウンサーとかコメンテーターが、「アジアサッカーのレベルも年々上がってますからねー」とかほざいて試合の価値を上げようとしていたのを皆さんも聞いた事があると思う。

確かにアジアのレベルも上がっているかもしれないが、この試合のウクライナのプレーを観ると、ヨーロッパサッカーの成長速度は遥かにアジアサッカーを上回っており、「現時点のアジアサッカーの世界的な立ち位置を突きつけられた」というのが真実ではないだろうか。

言うまでもなくウクライナはW杯予選を3位で敗退しているチームである。(下がW杯予選グループIの順位。)

 

1.☆アイスランド(22)+9
2.★クロアチア(20)+11
3.ウクライナ(17)+4
4.トルコ(15)+1
5.フィンランド(9)-4
6.コソボ(1)-21

 

最終節にクロアチアとの直接対決に勝っていればプレーオフ進出であったので、非常にレベルの高いチームだったと言える。まぁクロアチアは途中まで監督が無能だったので、クロアチアとは大分差があると思うが。それでも下位に目を遣ると2002年日韓W杯ベスト4のトルコが4位。ヨーロッパ予選の熾烈さがよくわかる。ユッルユルのアジア予選とは次元が違いすぎる。しかも2026年から枠が拡大されて、アジアの出場国枠が4.5枠から8枠になるとかww。正直このままだとアジアサッカーがヨーロッパサッカーに追いつけるとは到底思えない。

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確実に世界との差は広がっている

 

実は2005年のジーコが監督の時に、日本代表とウクライナはキエフで戦っている。あんまり内容は覚えていないのだが、中田浩二がお笑い退場してなければ、いい勝負が出来たのではという試合だったと記憶している。(試合終盤に箕輪がPKをとられて0-1で敗戦)

その頃とはお互いに大分立場が変わったなという印象。しかも今のウクライナの監督はあのアンドリー・シェフチェンコ。正直彼が監督としてハリルより上とは思えない。あの守備しない事で有名なコノプリャンカに守備させる所はさすがだが(笑)そう考えるとどうしても選手の質に問題があるという結論になってしまう。
ここに一つのデータがある。

 

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これは14-15シーズンのCLに選手登録された国籍の順位である(最新の順位は見つかりませんでした)ウクライナは13人が登録されていて17位という事になる。日本はランキングにすら入っていない。(たぶんこの時はバーゼルの柿谷とドルトムントの香川の2人)

 

ウクライナ・プレミアリーグは2位までにCL出場権を与えられるので(2位は予備予選から)、コンスタントにウクライナの選手がCLで経験を積んでいるのは容易に予想できる。

そしてそのウクライナリーグ所属のディナモ・キエフでデビューし、自信もCL得点王に輝き、チームをCLベスト4に導いたのが現監督のアンドリー・シェフチェンコである。ちなみにこの時マドリーは伝統の舐めプをかましてディナモに負けている(笑)

CLという最高のコンペティションで経験を蓄積し、シェフチェンコという英雄を輩出したウクライナと日本の歴史の差は果てしなく大きい。おそらくウクライナ国内ではディナモ・キエフやシャフタール・ドネツクがCLでビッククラブに返り討ちにあうたびに、「どうやればアイツらを倒せるんだ?」という議論がなされて来たのは容易に想像できる。

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日本サッカーはどうすれば追いつけるのか?

 

日本サッカーには「Jリーグ百年構想」と「JFA2005年宣言」という計画がある。まぁこれは誰もがサッカーを楽しめるように「芝生のグラウンドを作ろう」とか「サッカーを日常に溶け込ませよう」的な事だと私は解釈している。その中には2050年までの自国開催&W杯優勝という目標も含まれている。

これはこれで良いと思う。だが根拠が無さ過ぎる。私の意見は暴論と言われるかもしれないが、日本サッカーはチャンピオンズリーグに一人でも多くの日本人選手を送り込む事を意識すべきだと思う。Jリーグ関係者には申し訳ないが、芝生のグラウンドが全国に普及したぐらいで日本代表が2050年までにW杯で優勝できるとは思えない。

 

チャンピオンズリーグに出場するという事は、「主要リーグの上位クラブ」に所属しなければならないので、勿論ハードルは普通に海外挑戦するよりも高い。だがそれをしなければ日本がW杯で上位進出は無いだろう。鹿島アントラーズはクラブW杯で南米チャンピオンのアトレティコ・ナシオナルを退けて決勝に進出している。だが日本代表がブラジル代表に勝てる可能性は?と訊かれると返答に困る。なぜならブラジル代表のメンバーはほぼCL出場チームの主力だからだ。

南米のクラブはヨーロッパに多くの選手を送り出して、それを自国の代表の利益に還元している。Jリーグもそうなるべきだろう。

日本がW杯で優勝しようと思ったら、「毎年コンスタントにCLに出場する選手が30人ぐらいいる状態を半永久的に続ける」ぐらいの事を達成しないと難しいのではないだろうか。そしてそこから現役を退いた後に指導者に転身する者が現れて、その経験が次世代に受け継がれて行く。そういった様々なプロセスを経て初めて夢を見れると思うのだ。そう考えるとまだ日本代表はスタートにすら立っていないのかもしれない。

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Jリーグは「完成品」を欧州に売るリーグを目指せ

 

「主要リーグの上位クラブ」に多くの日本人を送り込むためには、日本から選手が旅立つ時点でその選手が高いレベルに達している事が求められる。つまりヨーロッパサッカーのスタンダードのレベルに達している事が求められる。

エイバルの乾貴士は知将ホセ・ルイス・メンディリバルに守備戦術を叩き込まれて、数ランク上のフットボーラーに変貌を遂げた。実際メンディリバルも最近のインタビューで乾についてこう言っている。

 

「ここに来たときの彼はテクニックが見事だったが、守りがひどかった。守備を学び、ポジショニングが良くなったし、この数週間はゴールを決めている。彼はゴール前でのメンタリティを変えた。美しいプレーをするだけでなく、得点も決めているね」

 

つまり乾はエイバルに移籍してきた27才(2015年)の時点では、ヨーロッパサッカーレベルの守備を理解していなかったという事である。ハッキリ言ってこれは遅すぎる。乾はたまたまメンディリバルという手取り足取り教えてくれる指揮官に出会えたおかげで成長できたが、ほとんどの監督は「コイツ使えねーから干すわ」となるだろうし、実際そういうケースで干されている日本人選手をよく見る。

 

乾は2011年の23才の時にボーフムに移籍している。仮に23歳の時の乾が現在の乾と変わらぬ戦術理解度を有していたなら、彼のキャリアは全く変わっていたかもしれない。乾は現在ベティス移籍が濃厚と言われているが、CLを争うようなクラブにいてもおかしくないだろう。

なのでJリーグでプレーしている時点で選手を「完成品」に近いレベルまで鍛えられれば、多くの日本人を「主要リーグの上位クラブ」に送り込む事が可能になるのではないだろうか?

そのためにはどうしても「育成」が重要になって来る。そのためには優秀な指導者が必要である。そして優秀な指導者を呼ぶには金が掛かる。なので選手の売却益で優秀な指導者を招聘する資金に充てられれば、長いスパンで見て日本サッカーに好循環を生み出すのではないだろうか。

Jリーグが世界的に著名な監督を招聘した事は数える程しかない。カルロス・レシャック、アーセン・ベンゲル、フェリペ・スコラーリ、イビチャ・オシムぐらいか。ポドルスキなどのビッグネームの選手を呼ぶのもいいが、監督を呼ぶ方が選手が受ける影響は大きいし、戦術や育成面での影響は次世代への「遺産」になる。そういった「遺産」を積み重ねる事が日本サッカーには必要なのではないだろうか。