リーガは終戦
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ヴィニシウス起点でアラウホのオウンゴールで先制したのは良かったが、それ以降は決定的なシーンをほとんど創れず逆転負け。
これでシャビのバルサに3連敗。ぶっちゃけ相手もCLのグループリーグで敗退して、ELでも敗退してるレベルなのでそんなに強いわけではないのだが、今季のマドリーはオフェンスが弱すぎる。
シャビのバルサはDFラインのデュエルはそこそこ強くて、それがリーガでは一番の強みになっていると私は見ている。(だから相手がCLレベルになると勝てない。ラッシュフォードのいるユナイテッドに負けたのがその典型例。)つまりオフェンスがショボい今のマドリーは分が悪い。
基本的にアンチェロッティは攻撃時に両サイドバックを押し上げて5トップ気味に攻めるが、この5トップ(3トップ+両SB)のクオリティが圧倒的に不足している。
ベンゼマは残念ながら完全に確変が終了した感があるし、カルバハルはもう全盛期には程遠い、メンディは不在時に本職じゃないナチョが代わりを務めたら絶賛されるぐらい存在感が無い。(当たり前だがマルセロの抜けた穴がデカすぎる)右ウイングのバルベルデはアタッカーが本職ではない。
唯一の攻め手がヴィニシウスだが、クラシコだとアラウホがいるのでエリア内に侵入するのは簡単ではない。そうなると、ずっと言っている課題のペナ角からのミドルを決めるぐらいしかないのだが、これが年に2.3回しか決まらないレベルで、全くアテにならない。
実際にこの試合もヴィニシウスとアセンシオのペナ角からのミドルぐらいしか攻め手が無かった。
監督であるアンチェロッティの責任を問う人もいるようだが、アタッカー陣が相手DFにデュエルで勝てないんだから監督からしたらどうしようもない。代わりの選手って言ってもマリアーノとアザールしかいないんだし。
ヴィニシウスとベンゼマ頼りを批判する声もあるが、ヴィニシウスとベンゼマの価値を最大化してCL獲ってるだけアンチェロッティは有能だよ。
やっているサッカーは選手の質ありきだが、アンチェロッティは「どうやって自軍の質的優位を相手にぶつけるか」という設計図は持っている。そこがジダンやソラーリとは違う点だ。ジダンやソラーリが監督だったら今季なんてCLはグループリーグで敗退しててもおかしくない。
そもそも昔からマドリーというクラブは選手の質に依存するクラブだ。歴史を振り返れば、ディステファノ(5回)、アマンシオ(1回)、ラウール(3回)、クリスティアーノ・ロナウド(4回)、覚醒モードのベンゼマ(1回)、不世出のアタッカーがいた時しかマドリーはCLを獲ってないのだ。
だから何が悪いかと言われれば、金もタイミングもあったのにスカッドの刷新を怠ったフロント陣と言わざるを得ない。
99%アンチェロッティは無冠なら今季でクビだろう。だがフロントが考えを改めなければ、監督を誰にしようが同じ事が繰り返されるだけである。不世出のアタッカーが必要なマドリーの伝統は変わらないのだから。