CSKA川モスクワ児(笑)
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グループリーグ突破を賭けた天王山になると思われていたローマ戦だったが…、なんと直前に行われたCSKA対プルゼニでプルゼニが勝利。プルゼニに負けるとかCSKAダサ過ぎワロタ。そしてそのCSKAに負けたロペテギ(笑)プルゼニさんの頑張りのおかげでマドリーとローマは仲良く試合前にグループリーグ突破が決まった。
というわけでこの試合は突破が確定した上で首位通過を賭けて行われた。突破が決まったとはいえ、勿論首位通過の方が好ましいし、エイバル戦からソラーリがどう修正してくるかをチェックするために重要な試合と言える。
これがソラーリが選んだスタメン。前日に書いたマッチプレビューの予想通り、ソラーリはマルコス・ジョレンテを先発に抜擢して来た。
GK 1 ロビン・オルセン
DF 11 アレクサンダル・コラロフ 20 フェデリコ・ファシオ 44 コスタス・マノラス 24 アレッサンドロ・フロレンツィ
MF 4 ブライアン・クリスタンテ 17 ジェンギズ・ウンデル 22 ニコロ・ツァニオロ 42 スティーヴン・エンゾンジ 92 ステファン・エル・シャーラウィ
FW 14 パトリック・シック
ELレベルのゴミ試合でワロタ
試合は前半から肝を冷やすシーンの連発だったが、なぜか無失点。後半ローマのDFがバックパスをミスって、それをベイルが掻っ攫いゴール。
その後体力が消耗したローマを相手にカウンターを発動させるマドリー。ベイルのクロスをベンゼマが折り返し、それをバスケスが押し込み、0-2になりローマが意気消沈して、試合は実質そこで終わった。
勝ったけど、今日の試合はマジで酷い試合だった(笑)正直エイバル戦とそんなに変わらん出来だった。
ローマにはデ・ロッシ、エル・シャーラウィ(前半で負傷退場)、ペッレグリーニ、ジェコ、パストーレ、ペロッティがいなかったし、試合中はウンデルが超絶QBKしてくれたおかげで勝てたけど、「エイバル戦からの修正」という観点で見れば期待外れと言わざるをえない試合だった。
エイバル戦は狭いピッチを活かしたハイプレスに手を焼いたマドリー。普通の監督ならハイプレスに対応出来るようにビルドアップを整備するべきだが、ソラーリはビルドアップ修正には着手しなかった。
少なくとも私にはそう見えた。プレスを掻い潜るシーンもあったが、それは選手が自主的にやっているように見えた。
前半は相手にボールを持たせて(というより「ボールを持てなくて」と言った方が正しいか)、カウンターを狙う展開が多かった。
最初で最後のチャンスを掴んだジョレンテ
唯一変わった点は、アンカーをセバージョスからマルコス・ジョレンテに変更したため、カゼミーロ不在によって低下した守備力が補填されていたという事だろう。
ジョレンテはアンカーとして及第点のプレーを披露して、守備面でチームに安定をもたらした。攻撃面では連携が乏しくてまだまだだったが、1年半コンガリ天日干しにされていた選手が、いきなり大一番で先発に抜擢されてこれだけやれれば十分だと私は思う。
私は12-13シーズン最終節のベティス戦でモウリーニョがいきなりカゼミーロを先発で起用した試合を覚えているが、その時のカゼミーロは今よりもずっと心許無く、この選手がCL3連覇に貢献するとは予想してなかった。
ジョレンテはまだ未完成な選手ではあるが、ここまでの彼に対する扱い・出場機会の少なさは不当だと思う。もっと彼にチャンスを与えていいのではないか?『男子三日会わざれば刮目して見よ』という言葉があるが、チャンスを与えれば彼はもっと成長できると今日の試合を観て感じた。
間違ってもマドリーとCL圏を争う可能性もあるセビージャ(現在1位)にプレゼントしてはいけない。
彼は組織を植えつけれる監督が就任すればもっと活躍できるだろう。現監督のソラーリは組織を植えつけられる監督じゃなさそうなのがアレだが(笑)
ソラーリマドリーに対する不安
ジョレンテの話はこれくらいにして、マドリーに話を戻すと、別に相手にボールを持たせてカウンターを狙うのが悪いわけではない。私が気になっているのが、マドリーのカウンターが戦略的な狙いではなく、「そうせざるをえない」ためのカウンターだった事。
簡単に言うと、ソラーリはボールを保持して主導権を握る戦い方は諦めているように見える。
今のマドリーはプレスを剥がすビルドアップも無いし、単発的に相手をファイナルサードに押し込めたとしても、ボール保持時の攻撃プランが無い。
なので今のマドリーは自陣にリトリートしてのカウンターを狙う回数が増えている。だが守備ブロックの強度はユッルユルという矛盾っぷり(笑)
百歩譲って前線がBBC級の火力ならカウンターでも良いのだが、今日は得点したが基本的に得点力皆無のバスケスがスタメンで出ている状況である。前線の火力不足&ユルユル守備の状況で、ソラーリがこの戦術を続けるつもりなら、その選択は得策だとは思えない。
セルタ戦の記事で軽く書いたが、ジダンは「選手達には新しいメソッドが必要」という言葉を残して去っていった、それから紆余曲折あって、今の所メソッドを持ってないように見えるソラーリが就任したのが今のマドリーの現状である。
ジダンは自分の色を出そうとして3-5-2や4-3-1-2にチャレンジして失敗したが、アシスタント時代の経験活かして、アンチェロッティのやり方(劣化版ではあるが)に戻せば一定の成果が出るとわかっていたので、そこまで危険性は感じなかった。
対してソラーリの場合は、アンチェロッティのような名将の元でアシスタントとして従事して学んだ経験が無い。彼はずっと下部組織で監督としてキャリアを積み重ねて来たのだ。
私にはソラーリが新たなメソッドを選手達に叩き込めるとは思えない。それがとても心配なのだ。
今のマドリー不調の原因を「ロナウドの退団」と絡めたがる人が多いが、私はそうは思わない。そりゃ短期的に見れば今シーズンはロナウドがいてくれた方が良いが、マドリーの不調の根本的な原因は、ジダンの後任に組織力を植え付けられる監督を連れて来なかった事だと思っている。
ジダンの「新しいメソッドが必要」という発言は簡単に言えば、「このチームは賞味期限が切れかけてる」と同意である。つまり今夏には改革が必要だったわけで…。
ペレス本人はどういうつもりだったのか知らんが、今夏のマドリーの振る舞いは「今年は繋ぎのシーズンだから金あんまり使いたくねぇー」「監督は取り敢えずロペテギでいいや」的なものだった。ペレス的にはロペテギが組織的なサッカーを植えつけてくれると思っていたのかもしれない、でもその後任にソラーリを選んだのは矛盾していると思う。
果たしてペレスのこの判断が吉と出るか凶と出るか。最低でもCWC優勝とリーガ4位以内は達成してもらいたいが…。
選手評
クルトワ 無失点勝利に貢献
カルバハル ヒールパスを掻っ攫われてチームを死線に引きずり込む。あと彼の所に高いボールを放り込むシーンが多かったのが気になる。仮にユーベが相手だったらマッチアップするのは…そうアノ選手である(笑)
マルセロ もう怪我しなけりゃなんでもいいよ(笑)メリージャ戦で休めるはずだからそれまで怪我しないでくれぃ。
ラモス コンディション悪すぎワロタ。こちらも怪我しなければ何でもいい。
ヴァラン こいつもコンディション悪すぎ(以下省略)
ジョレンテ 個人的にMOM。最初は試合に入れてなかったが、前半30分ぐらいの右サイドでボールを運んだプレーは中々。被カウンター時に、パスコースを切りながら相手との距離をつめて攻撃を遅らせるプレーは、クロースやセバージョスには出来ないプレー。普通に考えればバレンシア戦も先発だろう。そうじゃなけりゃソラーリは無能。
クロース エイバル戦よりはマシだったが、もっと出来るはず。一回休養&競争を煽るために外してみてもいいのでは。
モドリッチ 組織力がほぼ無いので彼への負担が大きく、疲労も相俟って本調子ではないが及第点。このチーム状況でモドリッチより良いプレーが出来るMFはいないよ。
バスケス 1ゴールを記録。ゴールこそ決めたが、カス過ぎてワロタ。ロストが多すぎる。もっとマシな選手いねぇのかよ(笑)
ベイル 先制点を決める。ロナウドの代役が務まらないから放出という意見には同意しかねる。監督次第でもっと輝けるでしょ。13-14シーズンのロナウド不在のバジャドリード戦でハットトリックした時は「ロナウドがいないからイキイキしてる!」って言われてたような…。っていうかバスケスが先発で出てる貧相な選手層で、どこにそんな余裕があんの(笑)監督の指示なのかどうかは知らんが、大外レーンでの香車プレー多し。
ベンゼマ バスケスのゴールをアシスト。前半のモドリッチとのツープラトンシュートにはワロタ。
マリアーノ マジでノーインパクトだった(笑)まあ怪我明けだから…。
バルベルデ 良かった。クロースが受けに下がったら、すかさずトップ下のポジションで縦パスのレシーバーになるなど、気が利くプレー多し。
アセンシオ なぜかまた左で使われる。一回良いクロスがあったぐらい。
ソラーリ ジョレンテを起用したのは評価したい。だが根本的な守備強度が低すぎる(笑)この戦い方で行くなら前線の補強と超絶有能守備戦術コーチが必須だと思うが、どちらも無さそうなので、マジで不安しかない。