正念場
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マドリーの今後を占う重要な試合。負けたチームが多くを失うのは言うまでもない。
まあ「でしょうね」と言いたくなるスタメン。レバンテ戦からキーパーと、ナチョの所がラモスに代わっただけ。過密日程を考えれば、ソラーリのこの判断には疑問を抱かざるを得ない。
GK 1 マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン
DF 2 ネルソン・セメド 3 ジェラール・ピケ 15 クレマン・ラングレ 18 ジョルディ・アルバ
MF 4 イヴァン・ラキティッチ 5 セルヒオ・ブスケツ 20 セルジ・ロベルト
FW 9 ルイス・スアレス 10 リオネル・メッシ 11 ウスマン・デンベレ
ソラーリよ、これがお前の実力だ
木っ端微塵に砕け散りましたね…。リアルタイムで観た方はお疲れ様でした。さぞ憂鬱な一日だったでしょうね…。
自分は情報遮断して後から観たんだけど、DAZNの動画の再生時間が3時間ぐらいあるのに気付いて、「3時間って事は1-1で延長戦確定じゃねーか。ネタばれしてんじゃねーよ、使えねーなDAZN(笑)」と思ってたから、スアレスが先制点決めても、「いいもんね~。マドリーがこっから決めて延長戦になるって、わかってるもんね~」とか思ってたら、そのまま3点決められて敗戦しててワロタ。
試合終了してからも1時間ぐらい「ボォーン、ボォーン」っていうお経みたいな音楽が続いてて草。あれいらんやろ、編集しろや(笑)
試合の事に話を戻すと、言いたい事が色々有り過ぎて、何から書けばいいのか…。まあソラーリでしょうね、一番の敗因は(笑)
そもそもソラーリはホーム&アウェーの戦い方が下手過ぎる。
カンプノウで凡庸極まりないバルセロナに引分けて満足している時点であれだし、今日もまずはアウェーゴールを奪わせない事が第一なのにあっさり失点。
後半の始めというのは相手が戦術変更を施してくる可能性があるので、大事に試合に入るべきだが、そういう気遣いも観れなかった。(後半の5分に失点)
ソラーリマドリーの戦術的欠陥
後半開始から、バルセロナはメッシの間受け経由の攻撃を止めて、デンベレにSBとCBの間のスペースの裏を狙わせている。
まず1点目はカルバハルとヴァランの間をデンベレが裏に抜けて、そこから失点している。
しっかし、この時のマドリーの守備は何回観ても理解できない。
モドリッチがCBに突撃しているが、カゼミーロがメッシを見ていてプレスに着いて行ってない。
そしてモドリッチの裏のスペースを左にいたクロースが、右サイドにわざわざスライドして見ている。
これは一体どういう戦術なのか?私には皆目検討がつかない(笑)
普通ならモドリッチのスペースをカゼミーロがスライドしてケア、クロースがメッシを見るのが正解だと思うんだが…。
ここからは推測だが、ソラーリの指示は「前からガンガン行け!カゼミーロはメッシを見とけ!」ぐらいだったのではないだろうか?
なので
モドリッチ「監督が行けって言ってたから、取り敢えず行っとくか」 |
カゼミーロ「モドリッチさんが行ったけど、メッシを見ないと…」 |
クロース「ちょっww左インサイドハーフの俺がモドリッチの裏のスペース埋めんのかよ(笑)スアレスがフリーじゃん。アカン…キツイ…無理や。あっ、失点しちゃった(笑)」 |
ラモス「スアレスがフリーだけど、大正義超絶有能フットボールマスターのモドリッチだから心配な…あっスアレスをマークしてんのクロースやんけ(笑)アカン間に合わん。あっ、失点しちゃった(笑)」 |
こんな感じだと妄想。
あれがソラーリの狙い通りなら、舐めプ王子クロースがスアレスをケアしなかったのが悪いのかもしれないが、それは現実的では無いだろう。
いつもならこういうケースはカゼミーロが埋めるのだが、この試合は前述した通りメッシを見ていたので、クロスが入った時もメッシへのコースを切るポジショニングをしている。
おそらくソラーリはこういうシチュエーションを想定した戦術練習などしていないのだろう。
私にはソラーリがカスティージャで成功出来なかった理由が、ここに凝縮されているように思える。
混乱していたカゼミーロ
マドリーの2失点目も実はほぼ同じ形で失点している。
まずクロースがトップ下の位置にいて、ブスケツを見ている。この時、バイタルはモドリッチとカゼミーロのダブルボランチで見ている。
モドリッチの方がクロースより守備力があるので、モドリッチが釣りだされた1失点目よりは安心できる状態。
だがそこは舐めプ王子クロース。お得意のアリバイ守備であっさりブスケツにパスを通されている(笑)それを予想していたのかラモスがお得意の迎撃守備でブスケツに突撃。だが失敗してサイドに展開される。(1失点目の時点でデンベレが裏を狙っているのは明らかだったので、ラモスはDFラインに留まってデンベレをマークするべきだった。試合中に修正できないソラーリの欠点が出たシーンだった)
そこからまたSBとCBの裏抜けを狙ったデンベレを使われて、デンベレのクロスからオウンゴールで失点した。
この時ラモスのカバーにカゼミーロがDFラインに入っているのだが、デンベレがクロスを上げるまでにカゼミーロは首を2回振って後方を確認している。おそらくメッシの位置を確認していたのだろう。
その分デンベレのクロスのコース潰す時間が減って、そのコンマ何秒の差でパスコースを消せずに失点しまった。まさにメッシが間接的にアシストしたと言ってもいい得点だった。
カゼミーロにメッシをケアさせるなら、それはそれでいいのだが、ソラーリのミスはメッシをカゼミーロにマークさせる事で、カゼミーロが普段通りプレー出来なくなる可能性を想定していなかった事だろう。メッシのマークを受け渡すなどの工夫があれば、防げた失点かもしれない
今日のカゼミーロは明らかにオーバータスクで混乱していた。そう考えると、カゼミーロがイラついてPKを与えたのも腑に落ちる。
野放しフリーダムサッカーの終焉
しっかしクロースの守備ヒデぇーな…。マルセロは叩かれてるのに、なんでコイツ全然批判されないんだ(笑)イケメンだからって得し過ぎワロタ。
1失点目はソラーリの戦術が崩壊してるからクロースの責任かは微妙だが、2失点目なんてどう見てもクロースに責任あるやろ。パスコース消せないなら突撃してんじゃねーよ(笑)
デンベレにパスが通ってからも、ラモスかクロースが全力で戻ってくれたら、カゼミーロがメッシ気にせずに全力でデンベレ潰しに行けたんだが、ラモスもクロースもジョギングしとるし(笑)
たぶラモスもクロースも、普段だったらカゼミーロが何とかするから「まあ大丈夫やろ」と高を括っていたんだろうが、今日のカゼミーロは前述した通り、オーバータスクでパンク寸前だったので、全く大丈夫じゃなかったというオチ。
まあ如何に普段から守備面でカゼミーロの個人能力に依存しているかが、如実に表れたシーンだった。
これもジダン時代から脈々と受け継がれている、組織崩壊野放しフリーダムサッカーの弊害と言えるだろう。
今出来る事を全力で
論調を見ていると、「前線の決定力ガ~」的な意見が多い。たしかに得点は決めてくれるにこしたことは無いが、そもそもこの3トップが採用された経緯は「守備に協力的」という部分が大きかったはず。
少なくとも、得点力を求めた組み合わせではなかったはずだ。
マドリーは伝統的に2トップ(2人のCFW)で勝ってきたチームである事をソラーリは知っているはずで、得点力を求めているなら2トップを試しているだろう。
なので守備重視のCFW1人のシステムでプレーしているベンゼマを批判している人の考えは理解できない。そもそも10番として超絶有能なベンゼマがロナウド並みに点を決め始めたら、それはただのディ・ステファノである(笑)
断言してもいい、ベンゼマの所にエムバペだろうが、レヴァンドフスキを入れた所で得点力はそこまで変わらないだろう。ベンゼマは最高級の得点力増幅装置(&ストライカーとしてソコソコ)であり、そのメリットを享受できる選手がいない事が得点力不足の根本的原因なのだ。
なので、私は今のマドリーが勝つなら0-0の引分け、もしくは先制して相手が前掛かりになった所にカウンターでトドメを刺す的な展開、もしくは1-1のPK勝ち、しか無いと思ってた。
ソラーリはそろそろ腹を括るべきだろう。もし今の3トップで堅守速攻主体の先行逃げ切りサッカーをやっていくなら、ポゼッション大好き&舐めプ王子のクロースはフィットしない。なぜなら、失点しない事、守備に綻びを作らない事が一番大事だからだ。
それなら、間違いなく守備に協力的なセバージョスかフェデリコ・バルベルデの方が適任だろう。「自分の哲学に合わない」という理由でイスコを外したなら、クロースも外すべきである。明らかに采配に矛盾が見られる。
逆に「守備はソコソコでいいから、もうちょい前線の火力を上げたい」と言うなら、前線の組み合わせを再考すべきだろう。右にアセンシオやベイルを試すのも良いし、マドリーの伝統である2トップシステムを採用するのもアリだろう。
例えば、ベイルは今日何も出来なかったが、彼を活かすプランがチームにあったようには見えない。
アルバの所にベイルで空爆していれば、必ずチャンスが生まれていたはずなのに、ソラーリはアセンシオを入れたらベイルを左に移動させている。1st Legにアルバの所から得点をしたのに、それすら忘れているソラーリは無能と言わざるを得ない。
週末にはリターンマッチが控えている。現状、アヤックス戦の方が重要なので、どう扱うか非常に難しい試合である。
スカッドのクオリティや補強に関しての意見が多いが、私は今のメンバーでもバルセロナに勝つ事は可能だと思っている。つまりソラーリ次第である。
ソラーリが一番やってはいけないのは、今日と同じスタメンで負ける事である。そうなれば求心力を急激に失って、シーズン終了まで持たない可能性も有り得る。
だがソラーリが自分の采配の矛盾に気付いて、正しい決断を下せるなら、残された唯一のタイトルであるCL4連覇の可能性も数%上がるかもしれない。
選手評
ナバス うん、まあ、しゃあない。
カルバハル 最初の失点は戦術的に崩壊しているから責めるのは可哀想。
レギロン ヘディングは惜しくも防がれる。守備では安定してた。前半のスアレスのクロスをクリアしたシーンはファインプレー。
ラモス イマイチ。1点目も2点目も良いときならボール回収してたはず。ひょっとしたら、累積リーチが気になったのかもしれない。
ヴァラン スアレスの殺人キックで負傷。無事を祈る。
カゼミーロ 相手2トップがまったく守備しないので、何本か良いパスがあった。前述した通り、後半はオーバータスクで混乱気味だった。
クロース 守備の軽さが目につく。今日で評価下がったかも。
モドリッチ 頑張っていたが、それに呼応する動きがなかった。
バスケス 守備職人として出てるのに、結局失点しているわけだから、ここのポジションの処遇もそろそろ再考すべきだろう。ディマリアですら「コイツ守備するし、上手いけど点獲らないな。」って言われてたのに、バスケスがスタメンってのはな…。
ヴィニシウス ドリブルは既に世界トップレベル。だがフィジカル的にまだ完成されておらず、シュートを抑えられずに吹かすシーンが多い。まあこれから。
ベンゼマ いつも通りのベンゼマのプレーだったと思う。前半のシュートをミスったのが批判されているが、簡単なシュートではない。
ベイル どういうプレーをすればいいのか迷っているように見える。戦術兵器になれる選手なのだが、戦術が無いからな(笑)
バルベルデ カゼミーロと交代でアンカーでプレー。試合が終わってたので、評価できない。干されてたのに、なんで急に使われるようになったんだ(笑)
アセンシオ 何も出来ず。時間が短すぎた。
ソラーリ 問題点については前述したので割愛。お前が監督なんだから、お前が本当にやりたいようにやってみろ。