ジダンよ、もうこれでわかったな?
関連記事:リーガエスパニョーラ第21節レバンテ対レアルマドリード~ペレスまだ間に合うぞ(笑)
12月のセビージャ戦以来となる前線ABC(アセンシオ、ベンゼマ、クリスティアーノ)が揃い踏みとなったこの試合。
結果は御存知の通り前半で試合を決めたマドリーの圧勝であった。
エウゼビオ率いるソシエダは非常に厳しい状況にあり、本調子とは言えないだろう。守備が脆弱で、CFWウィリアン・ジョゼを欠いており攻撃にも怖さが無い。ボクシングで例えるなら、打たれ弱いボクサーがノーガードで闇雲にパンチを振り回している状況である。
そんな相手の勝利とはいえ、前半の内容は非常に希望の持てる内容であった。
私は前節のレバンテ戦の記事でこう書いた。
BBCを「プランA」、イスコシステムを「プランB」とするなら、デフェンシブな相手にはAもBも通用しないのが現状である。(オフェンシブな相手にはプランAは有効)つまりジダンに求められるのは「プランC」の発明であり、「信頼ガー」とか言っている場合ではない。マドリーのスカッドが本当に貧相で手の打ちようもないと言うなら同情の余地があるが、今日のベンチにはアセンシオとコバチッチという有望な若手がいたのでその言い訳も通用しない。
今日の前線ABC先発はレバンテ戦の結果・内容を受けての変更と言うより、ミッドウィークにはPSG戦が控えており、おそらくベイルを温存するという事が主な目的と思われる。
ただこの試合の前半の内容と結果を見れば前線ABCが「プランC」として十分計算できるというが理解していただけたと思う。ていうかマドリディスタのほぼ全員が前線ABCを待望していて、ジダンだけがその魅力に気付いていないというのが真実か。
今シーズン前線ABCとモドリッチ&クロースが先発した試合の結果を見てみよう。
アポエル対レアルマドリード 0-6
レアルマドリード対セビージャ 5-0
レアルマドリード対レアルソシエダ 5-2
このように全試合大量得点で勝利している。
確かに今日の相手であるソシエダは不調だし、セビージャもそうだった。アポエルはリーガのチームよりも低いレベルのチームだ。それでも今シーズンのマドリーが得点力不足に苦しみジローナやレガネスに敗れた事を考慮すれば、非常に説得力のあるデータだと私は思う。
PSGのスタメンは?一番のハードルはジダンの「信頼ガー」問題
ただ安心するのはまだ早い。
この試合の結果だけを受けてジダンが、「よっしゃ、これからは前線ABCで行くでー」となるのならマドリーはここまで低迷して世間に恥を晒してないだろう。
もう御存知だと思うが、ジダンは一度信頼した選手を切ることができない。あれだけ不調の原因だったイスコシステムを半年以上も採用し続けたのがジネディーヌ・ジダンという男である。ジダンにイスコシステムを見切らせるために、マドリーはベティス戦、ジローナ戦、トットナム戦、ビジャレアル戦、レガネス戦と5試合で苦杯を舐める必要があった。(もうお腹一杯ですww)
ジダンの「信頼ガー」問題をクリアしなければ前線ABCが「プランC」として採用される事はないだろう。
なのであくまでも私の予想だが、PSG戦はお馴染みの「プランA」+ナチョではないかなと思っている。ただこの「プランA」はオフェンシブな相手には有効なので、これが間違えているとも一概には言えない。
正直PSGのウナイ・エメリがどう出て来るのかも予想がつかないので、全く試合展開が読めない(笑)攻撃的に来そうな気もするし、ラサナ・ディアラ辺りを使って守備的に来そうな気もしなくもない。
個人的には攻撃的なプランを好むが、まぁ勝ってくれればいいよというのが本音である。
まぁジダンよ、好きにするがいいさ。これまで散々期待を裏切られてきたから采配面では何も期待してない。今シーズンを振り返ると、ほとんどの苦戦・敗戦はジダンの采配が引き金になっている。なので裏を返せばジダンの采配が良ければ勝つだろうし、悪ければ負けるだろう。
大外レーンの選手は動きながらボールを貰え
グティマドリーの記事で、私は何度も大外レーンの選手が動きながらボールを貰う事の重要性を書いてきた。このソシエダ戦ではそのシーンがあって、しかも得点に繋がっていたので書いておこうと思う。
まずアセンシオがペナルティエリアの角で相手をひきつける。ここで重要なのはアセンシオのポジションがペナルティエリアの角という事。もしアセンシオのポジショニングがもっとサイドライン寄りだったら、このゴールは生まれなかった。理由はこの後で。
アセンシオがトップスピードのマルセロのスピードを活かしたパスを出す。
オドリオソラの股を抜いてロナウドへアシスト。まずオドリオソラは止まった状態からプレーを再開しているので追いつけるわけがない。そして苦し紛れに足を伸ばした所をマルセロに狙われている。アセンシオがもっとサイドライン寄りでプレーしていれば、ロナウドへのパスコースは消えているし、DFにクリアされる確率も上がる。アセンシオの隠れたファインプレーだったと言える。
駄目な例(従来のジダンマドリー)
写真の試合はマルセロが相手にクロスをぶつけまくって、ボロクソに叩かれたビジャレアル戦。
まず止まった状態で足元にボールを貰っている。
ここから相手との1対1を開始。
相手にコースを塞がれてクロスすら上げれず。マルセロのコンディションが悪かったり、相手DFが対人に強いタイプだと、クロスを上げる事すらままならないという状況。しかもこれは試合の終盤の写真である。そんな状況で走り回って独力で打開しなければいけない。そりゃさすがのマルセロも疲れますわ。
ジダンがこのやり方を続けるのならベイルをSBにコンバートするぐらいしか改善方法が思いつかない。それぐらいジダンのSBへの要求は高い。というより高すぎる(笑)まさにブラック企業。アクラフやテオが馴染めないのも無理は無い。今日はアセンシオのサッカーIQの高さで解決されていたが、誰が出ても同じように出来るようにするのがジダンに求められている仕事なのでは?
選手評
ナバス 1点目はニアを空けすぎと言われている。だがカシージャスもよくキッカーとの駆け引きでわざとニアを空けたりしていたので、単に賭けに負けたのではと個人的に思っている。まぁシーズン終了まではナバスなんだし応援する以外ないよな。FAX破談残留からCL2連覇を成し遂げた祈祷師ナバスの強運を信じるべし(笑)
カルバハル どうやらPSG戦に出れなくてフラストレーションを溜めている模様。今日は2失点目のポジショニングといい、色々おかしかった。まぁナチョ先輩を信じなさいとしか…。
ヴァラン うーんまぁ普通かな?失点は彼のせいではないと思う。
ラモス まだ本調子ではないが、出ざるをえない状況なのでこれ以上は求められない。
マルセロ アセンシオとの関係性は光明。だがアセンシオはPSG戦ベンチの可能性が高い(笑)ていうかテオで良かったような気が。
クロース モドリッチとのコンビは攻撃面では世界最高。後半は明らかに流していたので交代させるべきだったと個人的に思う。
モドリッチ 一番休ませたい選手だがなぜか先発。プレーは勿論素晴らしいのだが、「ソシエダ戦休ませればば良かったのに」とならない事を願う。
アセンシオ 実質10番のような振舞いでチームの攻撃を牽引。スタートは左だったが、自由にポジショニングさせると彼のインテリジェンスが活きる。間違いなく毎試合先発させるべき選手。彼の能力とインテリジェンスならどこのポジションでもプレー出来る。仮にインサイドハーフで使われても上手くやれるだろう。シティのデブライネがえらく持ち上げられているが、アセンシオはデブライネを軽く超えれる器である。なのに左に固定してクロスを上げさせていたジダンは無能過ぎる。
バスケス 1ゴール1アシストを記録。記録してしまったと言うべきか(笑)セビージャ戦にも言ったと思うが、味方のために走っている時の彼は悪くない。ただ彼が攻撃のメインオプションになると最悪である。何が言いたいかと言うと、今日はマイナスでは無かったがマドリーのスタメンに相応しいレベルだと思わない。プラスαをもたらせる選手だけがマドリーのユニフォームを着る資格があると思うのだが。
ベンゼマ 御祓いでも行けば(笑)これでPSG戦決めたら笑う。まぁもう決めなくても何とも思わなくなってきた(笑)
ロナウド コレが通常の彼のレベルだろう。5点ぐらい獲れたと思うが、メンタル的にはこの結果は良かったのでは。
コバチッチ ベイル、イスコの守備放棄のせいで守備に追われる。ウーンやっぱり前に出て行けるのが彼の良さなので3センターの一角がベストなのでは。
イスコ 一人ストリートサッカーに興じる。だからコネ過ぎだって(笑)誰か教えてやれよ。
ベイル その守備では(笑)まぁPSG戦はちゃんと守備してくれる事を願う。
ジダン たぶん今日のスタメンは適当に選んだだけなんで何とも言えない(笑)まぁ問題はPSG戦。ジダンがどう出るか見物である。