フリーズ状態のソラーリ
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国王杯から敗退して、次はリーガでクラシコ。アヤックス戦の方が大事なので、扱い方が難しい試合。
国王杯のクラシコでは
ソラーリが一番やってはいけないのは、今日と同じスタメンで負ける事である。そうなれば求心力を急激に失って、シーズン終了まで持たない可能性も有り得る。 |
と書かせていただいた。
キーパーとベイルのみ代えて来た(笑)う~む、微妙過ぎるスタメン。国王杯は0-0でもOKだったので、守備重視の4-3-3でも理解出来たのだが、この試合は勝利以外は意味の無い試合。引分けでも駄目。そう考えると、思い切って2トップを試してみたりしても良かったのでは?
GK 1 マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン
DF 3 ジェラール・ピケ 15 クレマン・ラングレ 18 ジョルディ・アルバ 20 セルジ・ロベルト
MF 4 イヴァン・ラキティッチ 5 セルヒオ・ブスケツ 8 アルトゥー
FW 9 ルイス・スアレス 10 リオネル・メッシ 11 ウスマン・デンベレ
修正という概念が無いソラーリ
録画で観たけど、案の定敗戦。しかしこの敗戦は萎える。何が萎えるって、負け方が国王杯の再放送かっていうぐらい似ていた事。
繰り返しになるが、国王杯のクラシコでソラーリはカゼミーロにメッシをケアさせている。その結果、オーバータスクでカゼミーロが普段の試合でやっているタスクを行えず、守備に綻びが生まれて敗戦。ざっくり言うと、こんな感じの試合であった。
この試合の失点シーンもほぼ同じであった。カゼミーロがメッシをマークするために、いつもやっている裏のスペースのケアの仕事が出来ずに失点した。(カゼミーロはセルジ・ロベルトが持つ前に首を振ってメッシを確認している)
しかもラモスの突撃守備のポカ、クロースの舐めプ守備、大外からの斜めのパスでCBの裏のスペースを使われる形も国王杯と一緒。同じ様な形で2試合・3失点しているわけで、ソラーリが全く何の修正もしていない事が明らかになった。
ちなみにカゼミーロはメッシが近くにいない時はCBの裏をケアする動きをしているので、おそらく彼の中での優先順位がメッシ>裏のスペースだったのだろう。(負けているので無意味だが、一応メッシにはこの2試合では仕事をさせていない…)
ぶっちゃけ相手監督のバルベルデに舐められてるよ、ソラーリは。バルベルデも内心びっくりしてんじゃね?「ちょっww何にも修正してないから、前回と同じ形で崩せてメシウマ過ぎワロタ」とか思ってそう(笑)
ほんま最近のクラシコは両チームとも弱体化して低レベル過ぎてな…(勿論マドリーの方が酷い)戦術的にハイレベルだったモウリーニョとペップの頃が懐かしい。
ソラーリマドリーの構造的欠陥
正直、この試合は監督次第では十分勝てた試合だったと思う。ソラーリの戦術レベルが低いのはもうどうしようもないが、ソラーリは自分のチームのストロングポイントをもう一度理解すべきだろう。
直近5試合のマドリーの得点パターンを見てみると
アトレティコ戦 |
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アヤックス戦 |
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ジローナ戦 |
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レバンテ戦 |
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国王杯バルセロナ戦 | 打ち合おうとして失点。しかも無得点 |
こんな感じになる。
見ての通り、ソラーリのマドリーが撤退守備を崩した得点は無く、全てセットプレー関係か、前掛かりになった相手の裏のスペースを使ったカウンターによる得点なのである。
辛辣な言い方すれば、「相手の守備が手薄な時のみ、前線のアタッカーのスピードと技術で得点出来ている」という状態。
ずっと言ってきた事だが、私が「ソラーリマドリーは先行逃げ切り型のチーム」と言ってるのはコレが理由である。
私はこの2試合のバルセロナの守備が優れていたとは思ってない。バルセロナは去年ローマに負けた時と同じ課題を抱えているように見える。単にマドリーの攻撃が稚拙過ぎただけだと思っている。
ソラーリよ、出来る事をやれ
「じゃあ、これからソラーリマドリーがCLで強豪と戦う時にどうすればいいのか?」となるが、答えはカウンターのチャンスが来るまで耐えるしかないのではないだろうか?
アンチェロッティの頃は確実にカウンターもポゼッションも出来る全方位型のチームだったが、ベニテス政権以降、監督という役割を軽視し続けて、個人技ゴリ押しサッカーで誤魔化してきたツケを払っている様に見える。
今のマドリーには全方位型の戦い方は出来ない。なので、出来る事に集中するしかないのではないだろうか?
勿論このやり方はマドリーが先に失点した時点でアウトだ。本来なら先に失点してしまった時のプランも用意すべきだが、この2試合のビハインド時のプレーを観る限り、肝心のソラーリ本人に改善する能力が無いんだから、方法はこれしか無い。
幸いアヤックス戦は2-1のスコアから始まる。相手が前に出てくるので、ソラーリマドリーの良い部分が出易いシチュエーションである。
本来なら0-0でもOKな国王杯2nd Legでもそうするべきだったが、今更言っても後の祭りである。なのでこの試合だけは間違えないでもらいたい。
あと、バルサがマドリーに対してやった、大外からの斜めのパスに対してCBとSBの間を抜ける攻撃パクれば?(笑)ベイル、ヴィニシウス、アセンシオ辺りがやったら脅威だと思うけどな。
マドリーは同一レーンでの縦パスばっかで、斜めのパスを使った相手の背後を取る動きが無いから、相手が守り易いんだよな。
もう期待してないけど、連動して裏狙うぐらいはして欲しいわ。
選手評
クルトワ 失点シーンはどうしようもない。移籍してからずっとチーム状況は悪いけど、むしろチームを救っている。
レギロン 失点シーンはもうちょい寄せて欲しかったが、ミスという程でもない。守備組織の欠陥の方が大きい。確実に成長してると思うが、後半のヴィニシウスが大外でプレーしている時は中でプレー出来るマルセロが恋しくなった。
カルバハル 右サイドが機能してないので、攻撃では相変わらず苦しんでいる。だが守備は安定している。アヤックス戦までなんとか頑張って欲しい。
ラモス ま~た突撃して失点に関与。しかも2試合連続で有休取得。
ヴァラン スアレスに追いついたシーンは良かった。まあ今のチーム状態だとアヤックス戦もヴァランに頑張ってもらうしかない。
カゼミーロ 失点シーンが批判されてるけど、個人的にあんま責められないかな。チームの皺寄せが彼に行っている感じだし。メッシには仕事させてないし。噴飯レベルのパスミスは勘弁してもらいたいが(笑)
クロース 流石に立場がヤバイと思ったのか、国王杯よりは走ってたような気がする。だが早めにバルベルデと交代。ソラーリの評価が下がったかもしれない。
モドリッチ 最年長なのに一番酷使されてて可哀想。結果論と言われるかもしれないが、休ませるべきだった。
ベイル 個人的には言われている程悪いと思わなかった。たしかに消えてる時間が長かったが、決まり事があればもっと活きると思うけどな。
ヴィニシウス 決定機はラングレにブロックされた。再三ドリブルで仕掛けたが、孤立しているシーンが多かった。後半なんて疲れているのに、ヴィダルとセルジ・ロベルト2人相手に1人で仕掛けててカワイソス。
ベンゼマ いつも通りのベンゼマ。スペース作っても誰も使わず。宝の持ち腐れ。
バルベルデ 悪くなかった。イスコが入ってからはアンカーでプレー。クロースよりも守備で計算出来るので、カゼミーロを外して、攻撃的な布陣に変更し易いのもプラス要素。
アセンシオ ベイルよりプレーに関わろうという意思は見えた。数試合先発で継続して観てみたい。
イスコ 久しぶりなんで、フワフワしているというか、タッチが安定しない感じだった。もっと守備ブロックの中で受けてもらいたいが、この状態でブロックの中で受けろというのも酷な気がする。
ソラーリ 先日の試合から修正もしてないし、こんな時だけイスコを入れる交代策も政治的過ぎる。リーガは4位以内ならOKなので、上手い事実験に使ってもらいたい。ただアヤックス戦に負ければ、監督でいられるかどうかも怪しい。