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音楽コラム第10回~ジュリー(沢田研二)のさいたまスーパーアリーナ公演ドタキャン問題について

音楽・DTM
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そりゃ行ったファンは気の毒だけどさ…

 

関連記事:音楽コラム第9回~チケットノルマのあるオーディションライブには要注意

 

 

ジュリー(沢田研二)が公演をキャンセルした事が話題になっている。世論は「プロなら客が少なくてもやれ!」「お前が人を集められないのが悪いんだろ!」的な意見が多いように思う。

 

ハッキリ言ってこういう意見を言っている人は、今回の一連の騒動を全く理解していないように思える。

 

多くの人が誤解しているが、ジュリーは「客が9000人じゃなくて7000人だったからキャンセルした」わけではない。

 

私の推測も入っているが、

プロモーターの株式会社エニー「ジュリーさん、今回の古希ツアー、埼玉スーパーアリーナで公演しませんか?」

ジュリー「いやいや、平日のさいたまスーパーアリーナは流石にキツイっしょ。ガラガラの会場でやるのはキツイわ。まぁキャパの75%入るならやるけど。」

プロモーター「わかりました。1万2千人の75%、9000人集まらなかったら事前に中止にしましょう。」

ジュリー「それならええで。」

 

そしてライブ当日、

ジュリー「あれ?なんか黒幕で客席隠しすぎじゃね?本当に今日9000人以上は入るの?」

プロモーター「実は…7000人しか集まりませんでした。サーセン(笑)」

ジュリー「はぁ?!だから言ったじゃねぇーか!9000人以下なら中止にする約束だっただろーが!」

プロモーター「(ここまでは予想通り。よし最終奥義の土下座作戦や!)スイマセンでした~。」

ジュリー「ほんなら帰るわ。」

今ココ

 

おそらくこんな感じではないかと予想。

というわけでジュリーが「客が7000人しか集まらなかったから怒って帰った」という報道はミスリードではないだろうか?おそらく会場が大宮ソニック(キャパ2500人)だったら、何の問題も無く公演は行われたハズだ。

私には契約を遵守しなかったプロモーターに対しての怒りが強いように思える。

 

一般の人にはピンと来ないかもしれないが、コンサートにおけるプロモーターというのは非常に重要な役割を担っている。とあるアーティストが「プロモーターを変更したら、ライブの動員が増えた」というケースも聞いた事がある。

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プロモーター・株式会社エニーの見通しの甘さ

 

今回のジュリーの全国ツアーのスケジュールを見てみると、複数のプロモーターが関わっている。

 

関東の大きい箱でのライブは7月6日(金曜)・1月19日~21日(土・日・月曜)に武道館と10月6日に横浜アリーナ(土曜)がある。(計5公演)

そして武道館のプロモーターはディスクガレージで、横浜アリーナはKM ミュージックである。

 

もしプロモーターが全公演同じ会社だったらこの騒動は起きなかっただろう。

なぜなら関東圏のキャパ1万越えの大きい箱での公演が5公演あれば、需要と供給のマッチングという意味で十分だからだ。

特に10月6日(土曜)に横浜アリーナで公演しているのに、10月18日(木曜)に同じ関東圏であるさいたまスーパーアリーナの公演をブッキングするのは非合理的だと思う。(ちなみに横浜アリーナでのライブは問題なく行われた)

 

だが株式会社エニーは「自分達も大きい会場での公演を主催して儲けたい」という思いがあったのだろう。故に株式会社エニーはさいたまスーパーアリーナのライブを強行して、今回の一連の騒動に繋がったのだろう。

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反原発運動の影響も?

 

信憑性は怪しいがサンスポが

この日、サンケイスポーツの取材に答えた複数の関係者は、沢田が主催者とともに会場と結んだ契約書で反原発の署名運動をしない約束だったにもかかわらず、当日になって行おうとしたことが発端だったと証言している。

沢田はここ数年、反原発の歌を作ったり署名運動をしているが、同アリーナは公式サイトで公演とは直接関係のない活動を規制。その点で沢田と折り合いがつかなかったことが、中止につながったと見る向きもある。サンスポより引用

という記事を書いている。

 

あと「さいたまスーパーアリーナの株主に東京電力がいるから」説もあるが、個人的には「この理由は無いかな~」と思っている。というのも、横浜アリーナでは署名運動を実施したらしいが、武道館ではやってないみたいなので。流石にそこまで奇天烈な人じゃないでしょ(笑)

 

つうか、ミュージシャンってなんでこんなに反原発派多いの?いつも思うが、反原発を唱えるなら、原発より安全でコスパの良い代替エネルギーを見つけてもらいたい(笑)まあどうでもいんだが。

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プロとは一体?

 

「どんな事情があろうとも、それでもプロならファンのためにやるべきだ」という意見が多いが、私はこの意見には疑問である。

 

おそらく沢田研二も公演をやった方が自分に得があるのはわかっていただろう。だが考え様によっては、「自分が不満を押し殺してステージに立つ事で、無能で不誠実なプロモーターの尻拭いをしている。」とも取れるわけで、それが本当にプロとしての義務なのだろうか?

 

おそらく「自分ならファンのために公演をやった」と発言するミュージシャンもこれから出てくるだろう。

でも芸暦50年以上誇るジュリーである。彼には彼の美学があるのだ。おそらくジュリーは、周囲への不満を押し殺して、不完全な状態でステージに立つ事を良しとしない人間なのだろう。それは周りのスタッフが彼の事を理解して配慮すべきだった。

 

それに、今回の一件は後輩ミュージシャン達のために、無能プロモーターがのさばる悪しき前例が作られるのを防いだとも言える。

 

というわけで、今回の一件でジュリーだけが悪いとは言えないのではないだろうか?(勿論当日足を運んだファンの方は気の毒だとは思うが)