エフェクターの音痩せにバッファーは有効か?
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今回はエフェクターを直列に繋いだ時の音痩せ問題について。
ギタリスト&ベーシストの方なら、エフェクターを直列にいくつか繋いで、ギターを弾いた時に「ん?なんか音がショボイいような…」みたいに思った事がある方もいるのではないだろうか?
そういう状況を解決するためにあるのが、バッファーというタイプのエフェクターである。
これは簡単に言うと、音の信号のインピーダンスをローインピーダンスに変換して、音が劣化しにくい状態に変換してくれるエフェクターの事である。
そして今回私がレビューするバッファーは
EVA PHC-VIC Sound Stabilizerというエフェクターである。
検証方法
まず今回の検証方法は
順番 | エフェクター名 |
① | EVA PHC-VIC サウンドスタビライザー(アリかナシで検証) |
② | T-REX MOLLER2(バッファードバイバス) |
③ | VISUAL SOUND VS-XO(バッファードバイバス) |
④ | TRUETONE JEKYLL & HYDE V3(バッファードバイバス) |
⑤ | strymon Big Sky(トゥルーバイパス) |
⑥ | PDI03-JB(キャビネットシミュレーター) |
⑦ | RME UFX+(オーディオインターフェイス) |
こんな感じの順番で接続。EVA PHC-VICがある場合とない場合でどれぐらい「音痩せ具合・音質が変わるか?」を検証した。ちなみにシールドケーブルはklotz社の物を仕様している。
EVA PHC-VIC Sound Stabilizerを繋がなかった場合。(バッファー無し)
まずEVA PHC-VIC Sound Stabilizerが無い状態の音源。(バッファー無し)ギブソンレスポールカスタムのリアピックアップで弾いている。
エフェクターをたくさん直列で繋いでるが、どのエフェクターもONにはしてない。全くの素の音。(厳密に言うと、キャビネットシミュレーターのPDI03-JBのみONの状態)
今回は「音痩せ具合がどれだけ変わるか?」を検証する回なので、エフェクターはONにしないで、クリーンな音で聴いた方が判り易いかなと。
ちなみに録音ソフトはPro toolsでサンプルレートは96khz/24bitとなっている。録音後にMP3に変換している。
音が小さいからもしれないが、PC・スマホ側で何とかして下さい(笑)
それでは聴き比べてみよう(ヘッドフォンで聴くことを推奨)
まず低音リフの音源(バッファー無し)
次にアルペジオの音源(バッファー無し)
EVA PHC-VIC Sound Stabilizerを繋いだ場合。(バッファー有り)
次にEVA PHC-VIC Sound Stabilizerを繋いだ場合の音源。
ちなみにEVA PHC-VIC Sound Stabilizerはインピーダンスの設定が可変式になっている。今回使うギターはレスポールなので、ハムバッカーのインピーダンス(500KΩ)に合わせてセッティングしている。
ちなみに電源は18Vのアダプターを使用。(9v電池の2つで駆動させた方が音質は良いらしいが面倒くさいので…)それ以外のパワーサプライはMXRのM238 ISO-Brick。
バッファー有りの音源。低音リフの音源(オーディオインターフェイスの入力レベルはバッファー無し音源と全く同じ)
コチラがアルベジオの音源
結論
聴き比べると、入力レベルが同じなのにも関わらず、単純にボリュームが全然違う。それは上の波形を比べてもらえば明らか。(下の波形がバッファー有り音源の波形)
「ちょっww、お前明らかにバッファー有りの方がアタック強く弾いてるじゃん。インチキじゃねーか(笑)」って思われた方もいるかもしれないが、本当に同じ様に弾いたつもり。
なんならバッファー無しの時の方が、モニターから返ってくる音が明らかに小さかったので、より強く弾いたぐらいだ。弾いた瞬間に違いがわかるくらいハッキリ違った。(まあ疑うなら楽器屋で試してみてくれww)
バッファー有りの方が音の輪郭がしっかりしているし、音の芯も骨太で力強い。弦の分離も良い。
なんかバッファー無しの方は音がペラいというか、遠くで鳴っているように聴こえる。エフェクターの直列繋ぎで信号が劣化していて「遠路はるばるご苦労様です」っていいたくなる感じ。
というわけでEVA PHC-VIC Sound Stabilizerは音痩せ対策に有効な、極めて優秀なエフェクターだった。ライン録音でこれだけ違うので、アンプを通したらより違いが明確になるのではないだろうか?
今回使用したエフェクターは入力インピーダンスを変えれるタイプのモノだが、他にも色んなグレード・バリエーションがあるので、興味のある方は是非チェックしてみては。