スポンサーリンク

リーガエスパニョーラ17-18第15節レアルマドリード対セビージャ~ジダンよイスコじゃないアセンシオだ

レアルマドリード
スポンサーリンク

アポエル戦以来となるABC

 

はい、イスコ抜きの前線ABCで爆勝。所々突っ込み所もあったが(先制点後に攻撃的布陣でリトリート守備だったのは謎。それならジョレンテ使えよ)、間違いなく今シーズン最高の試合内容。私がこれまで何度も「前線をアセンシオ、ベンゼマ、クリスティアーノのABCにすれば、世界最高の3TOPになり、どんなチームにでも勝てる。」と書いて来たが、それが戯言ではないことがわかっていただけたと思う。

セビージャが「YOUは何しにベルナベウへ?」状態だったのもあるが、マラガのような降格圏と死闘を繰り返してきた事を考えると、前線ABC効果を十分すぎるくらい感じられる試合であった。

 

アセンシオはイスコに多くの面で上回っている。得点力、スピード、シュートレンジ、アシスト、そして最も重要なサッカーIQでも。ボールを扱う技術はイスコの方が優れているかもしれないが、それがチームの結果に反映されていない。

今日のアセンシオはイスコのように低い位置に無駄にコネずに、レアルマドリードの攻撃MFに求められるプレーを実行していた。正直、今日の彼は左サイドでの先発で、ベストのパフォーマンスをしたとは言えないだろう。しかし、ロナウドへの一点目のアシストでは右サイドにポジションチェンジし、そこから見事なノールックパスを通して見せた。

バイエルン戦1st Legのアシストもそうだっが、彼は試合の展開を読む能力が傑出している。あの時も右サイドから左へポジションチェンジをし、そこからピンポイントクロスでアシスト。どちらもイスコには絶対に無理な芸当である。

 

そして最も重要なのは、マドリーの王であるクリスティアーノ・ロナウドと相性が良いという所である。先述のシーンが仮にイスコならボールをコネコネして、ロナウドがタイミングが合わずにイライラするというシーンが繰り返されていただろう。

マドリーの最大の強みであるバロンドーラーロナウドの能力を引き出せ、そして自分でもゴールを奪えるアセンシオこそが「次世代の王」に相応しい。彼にはロナウドと同じように毎回固定のポジションを与えるべきだろう。

 

暴論かもしれないが、仮にアセンシオがイスコのポジションでずっと先発していれば、マドリーは少なくともリーガでバレンシアよりも上の位置にいただろうし、CLも違った結果になっていただろう。

ジダンにはドルトムント戦でのイスコの酷いパフォーマンスと、今日の爆勝試合の違いを重く受け止めてもらいたい。今日はシンプルにプレーしてボールが前に届くので、前線の選手のタレントが活きた。

 

私はアンチイスコではないのだが、ジダンという修正力と戦術構築能力が皆無の選手頼り監督の元では、彼の「ストリートサッカー」は現状攻撃を停滞させていると言わざるを得ない。要は監督に「好きにプレーしろ」と言われて、チームを勝たせるためにプレーする選手と、自分のやりたいプレーをやる選手がいるなら間違いなく彼は後者である。それが現状悪い方に出ている。

スポンサーリンク

偶発的に当たった?セビージャ戦のジダン采配

 

ルーカス・バスケス先発という疑問符の灯る選手起用もあったが、それ以外の今日のメンバーには個人的には疑問は無い。

ただアセンシオは間違いなく右でプレーさせた方が良い。(試合中は右に流れてくる事が多かったが)前半2分にアセンシオの左からのパスを中央付近で受けたバスケスがシュートしたシーンがあったが、あそこでシュートするのがアセンシオだったら、相手にとってより脅威になる。

 

それに加えて、録画している人は後半29分のアセンシオのカットインからの一連のプレーを観直して欲しい。ワンツーを織り交ぜて右サイドから左サイドへ、そしてフリーのマルセロへパス。得点には繋がらなかったが、これが今のマドリーに最も不足しているプレーである。

 

以前の記事で「ジダンマドリーのパスルートは(外-外-外)であるため、相手DFはボールとプレイヤーを同時に視野に入れる事ができるため対策されやすい」と書いたが、アセンシオのプレーはこの問題を解決するプレーであった。

右サイドから左サイドにボールが動き、左サイドからファーへのクロス。この一連の流れによって、DFの視野がリセットされ、味方選手のマークが外れ易くなり、得点になる確率が高まるのだ。ジダンがモイーズクロス戦法を続けるのであれば、こういう一工夫は欠かせないと私は考えている。そして得点の確率を高めるために効果的にボールを動かせる、技術と頭脳を持った選手がアセンシオなのだ。

というわけで珍しくジダンは「それなり」に機能するスタメンを敷いたと言っていいだろう。個人的にはルーカス・バスケスを外して、ジョレンテかコバチッチだったら完璧だったのだが、その布陣はこれからの楽しみにとっておくとしよう。(ジダンがそのスタメンでやってくれるかは疑問だが)

 

だが問題は今日のスタメンが「ジダンの意思」によるものなのか?、「出場停止などの外的要因」によるものなのか?という事である。

 

前者であるならそれは非常に喜ばしい事である。しかし後者であるなら、これからも全く機能してないイスコトップ下のクソサッカーが続く事になる。

どちらが正しいのかは今月末に行われるクラシコでハッキリするだろう。まさかのベイル先発というのもありえるが、個人的には昨シーズンのような失敗はしてほしくないと思っている。

スポンサーリンク

選手評

 

ナバス 無失点だし、ポロリもなかったし文句無し。

 

ナチョ 完璧。有能すぎてワロタ。

 

バジェホ まぁ久しぶりだからこんなもんかな。とりあえず怪我だけはしないでもらいたい。

 

アクラフ 初ゴールおめ。さらに1ランクレベルが上がった気が。毎試合カルバハルと比較されるのはしんどいと思うが、彼が追いつこうと必死で努力しているのは伝わって来た。

 

クロース 今日は積極的にゴールに絡もうとする姿勢が見えた。守備に関しては無失点だったが、やはり相手のレベルが上がると、こうは行かないのでは。

 

モドリッチ 攻守のキーマンだった。特にダブルボランチで相方が気まぐれ王子のクロースだと考えると、今日の無失点は彼のおかげと言っていいだろう。

 

アセンシオ 最初はまた左サイドで使われたが、展開を読んで自由にポジションチェンジ。実質トップ下。どう考えてもイスコよりもトップ下のポジションに相応しいと思うのだが、ジダンはどうするか。

 

ルーカス・バスケス 個人的には彼の先発にはNOである。だが今日は比較的マシだった。それはアセンシオが自由に動き、その空いたポジションをバスケスが埋めるという役割分担が出来ていたから。彼は黙々とチームために走っている方がいい。攻撃ではシンプルな選択をするようにしてもらいたい。だがやはりコバチッチが観たかった。

 

ベンゼマ 10番としては合格点。9番としては不合格。ヘディングが決まっていれば完璧だったのだが。

 

クリスティアーノ・ロナウド 1点目の笑顔はバロンドール獲得の笑顔ではなくて、「やっと自分の欲しいタイミングでボールが来た」という笑顔だろう。今日はそれが全てを表している。

 

マルコス・ジョレンテ  クロースと交代でIN。クロースのやっていた事と自分の得意なプレーが違うので戸惑っているように見えた。セバージョスが入ってからは良かった。

 

セバージョス 個人的にはイスコよりも良かったと思う。セバージョスはイスコと違ってブロックの中でボールを受けようとする。そこは評価されるべきだ。

 

イスコ 特に効果的なプレーは観れなかった。観てて思ったのは、「アセンシオと合ってない」という事。アンチェロッティのようにプレーを矯正できる指導者に出会えれば、大化けする可能性もあるのだが、ジダンではそれは望めそうに無い。私はアンチイスコではないが、ジダンの選手任せサッカーだと、サッカーIQの高い選手だけをピッチに立たせる必要があり、そうなると彼は11人には入らない。それが私のこの試合を観た率直な感想だ。