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CL17-18グループリーグ第3節レアルマドリード対トットナム~翼の捥げた白い巨人

レアルマドリード
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結果はホームで格下相手に痛い引き分け。だがこの結果は偶然ではない。

 

まぁ現状を考えればこんなもんかなという試合。ホームなので勝ちたかったが、カルバハル不在、マルセロ怪我明けで不調、ベンゼマは相変わらずアシストこそしたが師匠化続行中、恒例となったジダンの采配ミス、とこれだけ不安要素が揃えておいて、勝ち点3を獲ろうなど図々しいにも程がある。(詳しくは後述)

 

トットナムはスーパーな選手はいないが(今日のロリスとオーリエはスーパーだったが)、ポチェッティーノが組織的にフォーカスされたチームを作ったなという印象だ。レベル的にリーガで同等なチームはベティス、バレンシアぐらいか(つまりそこそこ強いが、CL王者ならホームでは勝利以外は許されない)

トットナム、というかポチェッティーノのチームはエスパニョール時代から、強固な守備組織からコレクティブなカウンターを得意としており、この試合もその片鱗が見て取れた。

自分達がボールを持った時は若干モタつく事からポゼッションはあまり得意ではない事はポチェッティーノのチームの一貫した特徴だが、ベルナベウでは引き篭もりカウンターが一番効果的なのをよく熟知しているポチェッティーノは躊躇うことなく守備的なスタイルを選択して来た。

 

つまりトットナムは得意な戦術を選択し、ベルナベウで格下に引き篭もられて、勝ち点落としまくりのレアルマドリーは自動的に苦手なシチュエーションで戦う羽目になった。

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ポチェッティーノに対するジダンの応手

 

たが、ここまでは予想できたことである。

ポチェッティーノは攻撃的に戦うと前日会見で発言していたが、彼が攻撃的なスタイルのチームを作った事はないので、その発言は明らかにカマしであり、信憑性がないのはあきらかだった。

じゃあ、守備的に来るとわかっていた相手にジダンは何か対策を講じたのかというと、ハッキリ言って何も変わっていなかった。

 

一応CL決勝と同じスタメンは揃えることに成功したが、ただそれだけである。(カルバハル以外)

しかもカルバハル不在、マルセロが病み上がりと、マドリーの生命線である両サイドバックの攻撃力が落ちているので、攻撃が機能不全に陥ってしまっていた。(ただアクラフはよくやっていた)私はジダンがサイドの攻撃力低下をカバーする戦術を何らかの形でチームに施す事を期待したが、それが見れなかったのが残念というか予想通りというか。(笑)
サイドの攻撃力低下が問題なのに、何の攻撃力もない守備固め専用のルーカス・バスケスを使い、アセンシオを左で腐らせ、ターゲットになれる選手はベンチにいない、とジダンがどんな考えでこの試合を展望していたのか小一時間問い詰めたい気分だ。

ポチェッティーノがフェルナンド・ジョレンテを使ってカウンターの成功率と機能性を上げて来たのとは対照的である。

 

まぁベンゼマが二回ある決定機の内どちらかを決めていれば、違う試合展開になってマドリーは楽だったのかもしれないが、ジダンは交代策もイマイチだったし、引き分けという結果はポチェッティーノとジダンの差が生み出したのかもしれない。

だからといってポチェッティーノがマドリーの監督に就任して、CL2連覇できるとは思えないし、ジダンがトットナムで上手くやれるとも思えないので、一概にどちらが優秀とは言えないのだが…。

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悉く外れるジダンのベンチワーク

 

まぁ難しい試合展開でも何だかんだで試合終了間際に勝ち越すのがジダンマドリーなのだが、今シーズンはそれすらなくなっている。これはジダンの強運が尽きたからではなく、しっかりとした原因がある。

 

ヘタフェ戦の記事でも触れたが、今シーズンマドリーはハメスとモラタという主力クラスの控えを放出している。これが結果に大きく響いている。
もし昨シーズンだったらバスケスような守備固め要員はベンチ外であり、不調ベンゼマに拘る必要もなかった。

 

例として昨シーズンのCL第1節スポルティング戦を思い出してもらいたい。
あの試合も凡庸な内容に終始して、負けても可笑しくなかった。だが途中投入されたハメスの見事なクロスから、ベンゼマに代わって入ったモラタが値千金の決勝点を挙げてチームを勝利に導いた。

だが今シーズンのスカッドだったら思考停止したジダンはバスケスをお決まりのように投入し、信用していると記者会見で公言したマジョラルはベンチ外で起用することすらできないという体たらくなのだ。

こんな状況で昨シーズンと同等以上の成績を残すことは不可能なのは自明の理である。

 

可能性があるとしたら唯一の方法は、アクラフが覚醒しつつあるように、マジョラル、セバージョス、ジョレンテ、バジェホ、テオといった若手にチャンスを与えて成長を促すしかないのだが、あろう事かジダンはこの試合でマジョラルをベンチ外にしたのだ。

 

ベンゼマが不調のこの状況でジダンのこの決断はまったく理解できない。一度でもマジョラルが酷いプレーや怠慢な態度をとったのなら、今の扱いは致し方ないが、マジョラルは唯一先発したアノエタのソシエダ戦で、1得点を決めているのだ。(下手したらトットナムよりもアノエタのソシエダは強い)

私がマジョラルだったらヤケ酒を飲んでジダンに文句の一つや二つは言いたくなるだろう。ベンゼマが圧倒的なパフォーマンスならまだ理解できるが、今日2回あったベンゼマの決定機ならマジョラルでもどっちかは決められたのではないかと思ってしまう。

 

まとめるとジダンは選手の個人能力頼りの監督であり、今シーズンの移籍市場ではジダンが自分の能力を過信している事がハッキリとした。

ルーカス・バスケスの所に例えばエムバペやらハメスやらドルベリやらヴェルナーがいれば全然違う結果になっているはずで、ジダンは今シーズンの低調っぷりから学んで、来シーズンは補強に力を入れてもらいたい。

戦力を飽和気味にするぐらいがジダンには丁度いいのだ。ジダンは人心掌握が監督として1番のストロングポイントなのだから。

だが一番の問題は無冠に終わればジダンには来シーズンの移籍市場など考える権利は無いという事だ。

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選手評

 

ナバス ケインのシュートを弾いてチーム救った。好不調の波が激しいイメージがあるが、今日は良かった。

マルセロ まだ病み上がり。オーリエに完敗だった。テオを使うべきだったと思うが、クロースとの連携や崩しのアイデアを考えれば使いたい気持ちもわからなくもない。彼にコンディションを上げてもらわなければマドリーは苦しむことになるだろう。

ラモス やはり使われすぎて疲れている。なぜ体調不良だったヘタフェ戦で休ませなかったのだろうか?今シーズンの彼は後半になると疲れからプレーが荒くなる傾向がある。そろそろバジェホに期待したい。

ヴァラン なぜDF最年長のラモスが出場し続けて、若い彼が休めるのか理解に苦しむ。しかも判断ミスが多い。ペペなら後半のケインの決定機は生まれなかっただろう。そろそろDF陣の絶対的な存在になってほしい。

アクラフ 調子の上がらないマドリーに射す唯一の光明。18才でしかもCL初出場でこのパフォーマンスは賞賛に値する。攻撃の精度やアイデアはまだこれからだが、これ以上は求められないだろう。ジダンがアクラフ起用の成功体験から、マジョラルなど若手を積極的に使ってくれるようになればいいのだが。

カゼミロ 今日は良かった。無意味な攻撃参加も少なかったし、危険なパスミスも無かった。プレミアの方が向いてるのかもしれない。(笑)

モドリッチ いつも通り神。エリクセンに格の違いを見せつけた。

クロース PK奪取など、攻守に良かった。去年の今頃のユルユル守備が嘘のようだ。

イスコ まぁ普通。ていうかベンゼマ、モドリッチ、クロースとプレイしてる時は悪くない。ただ失点シーンは4-3-1-2システムの弱点を突かれての失点であり、彼を使うためにそこまでリスクを冒す価値があるのかと言うと、正直疑問だ。CL決勝も後半から彼が左サイドでプレイして、そこから試合展開が好転したので、普通に左サイドの方が良いのでは。

ベンゼマ 疑う余地なく戦犯。あれを決められないならマドリーには必要ない。CR7に快適にプレイさせる潤滑油としての能力は認めるが、あのシーンはマドリーのユニフォームを纏う者なら決めて然るべきだろう。一番タチが悪いのは控えのマジョラルをベンチ外にするぐらい、ジダンが彼を寵愛していることだ。どんなに自分が酷いプレイをしても外されないと高を括っているのではないか。

クリスティアーノ・ロナウド プレッシャーのかかるシーンで落ち着いてPKを決めた。ベンゼマの不甲斐なさ、サイド攻撃の機能不全を考えればよくやったのでは。

アセンシオ イマイチ彼の才能を活かしきれていない。バスケスと同時に使うと自動的に左サイドに固定されるハメになるので、ジダンは彼の活かし方を考えるべきだろう。

バスケス 特に何もしなかった。守備固めで投入するならまだ理解できるが、得点を獲りに行く時には全く役に立たない。いい加減ジダンには学んでほしい。彼はマドリーのレベルには無い。

ジダン ここんとこ毎試合戦犯。先発はまぁ理解できる。だか守備的な相手に対して何の対策もないし、相変わらずバスケスとかいう役立たずをお決まりのように投入するのは無能と言わざるをえない。しかもベンゼマの控えのマジョラルをベンチ外にするという見る目のなさにはウンザリだし失望しかない。