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リーガエスパニョーラ17-18第10節ジローナ対レアルマドリード~同じ失敗を繰り返しながら違う結果を望むこと、それを「狂気」という

レアルマドリード
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リーガタイトルが遠のく敗戦。バルセロナとの勝ち点差は8に

 

月曜日という事もあってマドリディスタがうんざりした気持ちでそれぞれの職場、学校に向かったのが容易に想像できる敗戦。

勝ち点を落とす時は、「ジダンのクレイジーな采配と誤審で負けてストレスが溜まる」というのがデフォになりつつある今季のジダンマドリー。この試合もそれに該当する試合だった。

 

ジローナはカタルーニャの独立問題ブーストのおかげなのか、私にはよくわからないがここまでハイインテンシティを90分間継続できるチームという印象は無かったので、正直ジローナの出来が良かったというのが最大の敗因なのかもしれない。

はっきり言ってバルセロナやトットナムよりも強かった。おそらく今シーズン戦った相手では一番強かったのではないだろうか。(マドリーの出来の悪さで相対的に強く感じたというのもあるだろうが….)とはいえ負けていいレベルの相手ではないはずで、負けた事には原因がしっかりあるはずだ。

 

スタメンの選考自体はそんなに違和感はない。CL決勝のメンバーにアクラフとカシージャだった。

普段はイスコに否定的な私だがこの試合に関しては、ジローナがハイプレスをかけて来るタイプのチームで、彼のボールコネコネ癖が相手のプレスを空転させるのに一役買うと思っていたので、これも悪くないチョイスだったのではないだろうか。

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欠陥だらけのダイヤモンドの中盤

 

この試合の問題点はやはり守備ではないだろうか、イスコのために中盤ダイヤモンドの4-3-1-2というシステムでプレーしているマドリーだが、このシステムはもはや限界ではないだろうか?

 

元々このシステムはポゼッションをしまくるチーム用のシステムであり、マドリーのような殴り合い上等のチームにはフィットしないのではないだろうか。昨シーズンの終盤はイスコがスタメン奪取のために泥臭く献身的にプレーしていたことで、ギリギリのバランスを保っていて良かったと思うのだが、もう今のイスコからはその献身性は消えてしまっている。

 

2失点目のシーンを見てもイスコはクロースの横の位置まで戻ってはいるが、ペナルティエリア内からシュート性のクロスを入れたマフェオをフリーにしてしまっていた。イスコかクロースがマフェオをケアしていればあのゴールは生まれなかったはずだ。(まぁそもそもオフサイドなのだが)

モドリッチのような守備に関しても長けているMFだったらあのシーンはマフェオをケアしていたはずだ。これは選手の意識付けで改善できる問題のはずである。しかも今日のスタメンのほとんどはミッドウィークに休んでいるので、コンディション的には問題はないはずである。

 

このシーン以外にも中盤が3枚になって数的不利になるシーンが多々見られた。ダイヤモンドの中盤の欠点は中盤が流動的に動くため、守備時にどこのエリアを誰が担当するか曖昧になる点である。おそらくジダンはイスコに攻撃で自由を与えているのだろう。

それはいいのだが、問題をボールを失った時である。「イスコが3枚のMF陣のどこのエリアに戻って守備をするのか?」というのが非常に曖昧なのだ。

アンチェロッティの時の可変式4-3-3の場合は右サイドをベイルがケアするという約束事があったが、ジダンの4-3-1-2は、「1」のポジションの選手が守備時にどこのエリアを担当するのかという約束事がなされていないように見える。

 

だからイスコもクロースもボーッと立ち尽くすだけで、マフェオをケアしていなかったのだ。

ただこの問題は前述した通り「システム変更」や「意識付け」などで解決できる問題である。(カゼミーロを外してポゼッションしまくるという手もあるが、これは現実的ではないだろう)

改善の傾向が一向に見られないのはジダンの責任だろう。この敗戦で彼の立場も安泰では無くなっている、何か策を講じる時だろう。

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ジダンの狂気

 

2失点して逆転されたとはいえ、まだ逆転するだけの時間はタップリあった。しかし失点した後ジダンはアクラフを代えてルーカス・バスケス、マルセロに代えてアセンシオという狂気じみた采配を見せる。

まずバスケスは普通にクロッサーとしてはアクラフに抜かれている。アクラフの方がスピードがある分、相手からすると脅威のはずだ。クロスの精度はどちらも低いが、伸びシロがある分アクラフを使った方がマシである。

そしてアセンシオだが、普通に考えてマルセロと代えるならテオだと思うが、テオのクロス精度は酷いので、ここはあえて攻撃のクオリティが期待できるアセンシオを使おうという事だろうが、この実験はすでに過去に失敗している実験だ。

 

レギアワルシャワ戦、ベティス戦とどちらも点を獲りに行く場面でアセンシオを左ウイングバックに使って失点しているのに、なぜここで過去の実験で失敗した采配を繰り返すのだろうか?もちろんどちらも結果勝ち点を落とした試合である。

 

そもそもアセンシオをそんな使い方するぐらいなら、なぜベイルの左ウイングバック起用を試そうとしないのか?明らかにベイルの方がこういう使い方に適した選手なのに。(ベイルは怪我で欠場中だが、レギアワルシャワ戦、ベティス戦には出場していた)

 

結局ジダンはビッグプレーヤーの機嫌を損ねるのが怖いのだろう。「アセンシオやバスケスのような従順な選手はこういう使い方をしても怒らない」と高を括っているのだろう。

試合中に明らかにアセンシオの表情が曇っているように見えたが、おそらく「自分のベストポジションはここじゃない」と内心彼は思っているのだろう。確かに一回だけイスコとの連携からシュートに持っていくシーンがあったが、彼の才能はこんなものではない。

 

そして一番の矛盾はクロスを放り込むのに、唯一の控えFWのマジョラルをベンチ入りにすらさせていないという事だろう。ベンゼマが後半何かしただろうか?どうしてベンゼマが90分プレーできると試合前に決め付けているのだろうか?まったく理解できない。

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ジダンマドリーの行く末

 

審判の誤審があったとはいえこの敗戦のショックは相当なものだろう。

今までの勝ち点を落とした試合はメンバーが揃わなかったり、色々と情状酌量の余地がある敗戦だった。この試合はそれなりにメンバーを揃えた上に休養十分だったということもあって、どう考えてもジダンの監督としての力量に問題があるというのが浮き彫りになった。

 

ジダンマドリーがここから奇跡の大逆転を果たすためには、まずジダンが選手起用の最適解を見つけ出す必要がある。

まぁ過去に私が何度も言っている、イスコを外してアセンシオ、ベンゼマ、クリスティアーノのABCを試すしかないのだが、ジダンがそれに気付くかが問題である。前線をこの組み合わせにすれば、右サイドをアセンシオが担当するので、守備の問題も解決し、得点力アップも見込める。

イスコとロナウドの相性問題も無くなる。良い事尽くめなのだが、狂ったようにバスケスを投入し、アセンシオにウイングバックをやらせるジダンにはそれを期待できなくなっている自分がいるのが一番悲しい。もし私の悪い予感が当たってしまったらジダンはシーズン中に解任されても不思議ではない。

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選手評

 

カシージャ 失点を彼のせいにするのはフェアじゃない。トップオブトップのキーパーなら止めたかもしれないが、そんな話を今するのは現実的ではない。

セルヒオ・ラモス やはりどこかおかしい。コンディションなのか衰えなのか、それとも舐めプしてるだけなのか。早く元の姿に戻ってもらいたい。ジダンが彼を外す事はないだろうから…。

ヴァラン 良かったのだがケガで途中交代。2失点目は彼のスピードならなんとかしたかもしれない。そう考えるとケガは痛い。

アクラフ すでにダニーロは超えている。だが守備時のポジショニングは気になった。だが18才という年齢を考えれば十分やっていると思う。

マルセロ まだコンディションは50%ぐらいか。ここまで彼が悪いのはジダンにとっても計算外だっただろう。

カゼミーロ やはりこういうハイプレス系の相手だと技術の無さが目立つ。ビルドアップに全く貢献できないのはアンカーとしてどうなのか?なぜこういう試合でジョレンテを試さないのか。フェデリコ・バルベルデが成長したら、お払い箱になるかもしれない。

クロース パス捌きはさすがだが、守備時のインテンシティが低すぎる。モチベーションにムラがあるのが彼の欠点。

モドリッチ 頑張ってくれたが、ミスが多かったと思う。だがそれはチームの問題でもある。いるべき場所に人がいなかったりするのは、ジダンの責任だろう。

イスコ 今日は彼のキープ力が一定の効果を発揮した。及第点。守備でもっと以前のガムシャラさを取り戻してもらいたい。だが一回スタメンから外して欲しいという気持ちは変わらない。

ベンゼマ やはりシュート精度が低すぎる。これだけシュートを外してもスタメンは外れない。これが問題。

ロナウド そもそも彼までほとんどボールが来なかった。メディアは彼の得点数の少なさを槍玉に挙げるだろうが、それは不当だ。試合を観てもらえばわかると思うが、イスコの先制点のシーンのようにロナウドが前を向いてボールを持った時にマドリーのチャンスが生まれている。なのに彼を真ん中で使ってゴールに背を向けた状態でプレーさせたジダンは無能としか言いようがない。

ナチョ 2失点に絡んでしまった。厳しい事を言うようだが、あのような場面を何とかするのがマドリーのCBに求められる水準である。今日はその水準に達していなかった。

アセンシオ あの酷い使われ方を考えればよくやった方では。

バスケス 相手に舐められてわざとボールを持たされる始末。観ていてもはや哀れである。

ジダン 間違いなくこの試合の戦犯。彼が今のチーム状態に戸惑いを覚えている事に私は戸惑っている。