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UEFAユースリーグアポエル戦~もしグティがジダンの後任なったら

レアルマドリード
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監督としてのグティ

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たまたま時間があったので、Real Madrid TVで視聴。

UEFAユースリーグはユースチームがトップチームの対戦カードと同じ相手と戦う。

ということで今節はアポエルとの試合となった。

そして監督を務めるのはあのグティである。

現役時代はラストパスだけなら間違いなく世界一だったが、色々と問題行動もあったりした問題児であった。だが彼のマドリー愛は本物で彼が監督になると知った時は、驚きと期待感で心が満たされた事を覚えている。

そしてグティは監督ライセンスを順調に取得し、現在マドリーの下部組織のフベニールA(19才以下)を率いている。昨シーズンはそのフベニールAで3冠を達成するなど、監督としても優秀であるという事を証明した。ただ昨年のUEFAユースリーグでは準決勝でベンフィカに惜敗。正直、守備でくだらないミスが無ければ勝つチャンスは多分にあったので、今年は是非このタイトルを獲得しておきたいところである。

私はカスティージャで昇格に失敗したソラーリがクビになって、グティがカスティージャの監督に昇格すると思っていたのだが、なぜかソラーリはクビにならずに今シーズンもフベニールAを率いる事になった。

チームは基本的に19才以下の選手で構成されており、有名な選手はオスカル・ロドリゲス、ダニ・ゴメス、モハあたりか。

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グティのチームとジダンのチームの違い

 

グティのチームはテンポよくボールが回る。1タッチ、2タッチでテンポと良くボールを回せていて観ていて気持ち良い。

イスコのようにボールをコネたりする選手もいなくて、ファイナルサードまではチームで連動してボールを運ぼうという狙いが見える。

ジダンのチームとの決定的な違いはボールが経由するルートだろう。

ジダンのチームのボール経由ルートは主に「外-外-外」である。具体的に言うとクロースからイスコ、イスコがコネコネしてからオーバーラップしてきたマルセロ、そしてマルセロがセンタリングで放り込む。そしてこれをひたすら繰り返す。これがジダンが「カリスマ性のあるモイーズ」と揶揄される所以である。

 

 

しかし、これはこれで一定の効果がある。まず中盤の守備網に引っかかりにくい。故にカウンターを受けにくい。だがジダンマドリーは最終的に放り込んだボールが相手チームに渡って、カウンターを受けているシーンが多発している。

なぜならこの経由ルートは相手に対策されやすい。サイドチェンジが無いため、相手チームも守備組織を崩さずに対応できる。そして最終的に放り込んで来るとわかっているので、DFが跳ね返したボールからのカウンターの錬度を上げる事で、運が良ければ勝ち点を獲得する事ができる。

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グティのチームのパスルート

 

グティのチームのボール経由ルートは「外-中-外」、「中-外-中」と必ず一度は中を経由している。サイドをチラつかせつつ中央、中央をチラつかせてサイドというように必ず相手の逆を取るように攻撃を展開していくのが印象的だった。

このプレースタイルはグティの現役時代のプレースタイルにも通じるのではないだろうか。これは相手の守備組織に的を絞らせないという効果と、相手DFの視野がリセットされるというメリットがある。そのため味方がフリーでボール受けやすいような下地が出来ている。

 

 

そのため相手は守備組織をボールが動くたびにリセットしなければならず、守備組織に穴が出来やすい。

「それって別に普通の事じゃね?」と思う方もいるかもしれないが、その普通の事が出来ないで、個人技ゴリ押しだけでプレーしているのがジダンマドリーなのである。

これはある意味凄い事なのである。個人技ゴリ押しと「マドリディズモ」とか言う意味不明なメンタリティから突発的に発生する「ビッグマッチ界王拳」だけでCL連覇を達成したのだから。

こんな事ができるクラブは世界中を探してもレアルマドリードだけだと断言できる。

「じゃあジダンが監督でよくね?」となるが、監督ジダンにとってレアルマドリードが最適な仕事場なのは間違いないが、レアルマドリードにとってジダンが最適な監督か?と言われると正直返答に困る自分がいるのだ。ジダンを監督に据えてCL連覇を達成できるクラブはレアルマドリードだけだろう。だがジダンが監督じゃなくてもレアルマドリードはCLを制覇して来た実績がある。

最近のジダンの進退についてのコメントを見ると。「ジダン以外じゃマドリーの監督は無理。クビにするべきじゃない!」という意見が多いが、私はそうは思っていない。マドリーの選手のポテンシャルを考えれば、もっと強くて美しいフットボールが実現可能なのではないか?と最近を考えるようになった。それぐらいマドリーの選手達のクオリティは群を抜いている。

そして監督グティはマドリーの選手達のポテンシャルを今よりも引き出せる可能性を持った指導者であると感じて、記事を書いてみようと思ったのだ。

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ファイナルサードでの仕掛け

 

ジダンのチームで言うと「マルセロが止まった状態でボールを受ける」→「そこからDFと対峙してドリブル開始」→「DFをドリブルで剥がしてクロス」というシーンをよく見るが、グティのチームは必ずサイドアタッカーが動き出してマークを外した状態でボールを貰っている。

グティのチームはジダンのチームのように無闇矢鱈にクロスを上げる事はしない。基本的にサイドの選手が止まった状態でボールを受けるという事を好んでいないようだ。クロスボールを上げるにしても、浅い位置からのアーリークロスはあまり上げずに、ペナルティエリアの深い位置からのグラウンダーのクロスが多かったという印象がある。勿論そのエリアに到達するまでの攻撃パターンも整理されているように見えた。

なのでグティのチームはあまりドリブルでゴリゴリ仕掛ける選手はいない。攻撃の優先順位としては第一に「コンビネーションで崩す」という決まり事があるように見えた。

これはクリスティーアーノ・ロナウドやベイルのような大砲が前線にいないというのも関係しているのだろう。グティのチームの得点源であるCFWのダニ・ゴメス(この日1得点を記録)はそこまでサイズのあるタイプではないので、チャンスの質を高めないとゴールを奪えないのだろう。ジダンのように選手のタレントに依存せずに得点を獲れるチームを構築しているという事は評価に値する。

試合はオスカルのゴラッソ2ゴールとダニ・ゴメスの1ゴールでマドリーが3-0で勝利した。

相手のレベルもあるが、グティのチームの試合は観ていて面白い。トップチームの試合でストレスを溜めている方には是非観てもらいたい。

最近ジダンの周辺が騒がしくて、後任候補としてグティの名前が挙がる事が多いので、「もしグティがトップチームを率いたら」という視点で試合を観てみた。彼の事を名将扱いするのは時期尚早だろう。しかし私はトップチームでも十分やれると感じた。少なくともカスティージャ時代のジダンよりは試合内容も戦績も優れている。

人身掌握の面でも、ベンゼマ、ロナウド、ラモス、マルセロといった重鎮達と現役時代を共にして、天才的なサッカーセンスで尊敬を集めていたグティなら大丈夫だろう。