アンチェロッティの地獄のカテナチオ戦術
マドリーがシティをPK戦で下してベスト4進出。
まあ試合展開はだいたい予想通りだった、マドリーは4-4-2でベタ引き。1st Legでミドルを決められた反省を活かして、この試合は2トップのヴィニシウスとベリンガムも低い位置でブロック守備に参加して、バイタルを封鎖。
そして、今シーズンプレーエリアを広げたヴィニシウスの裏抜けからのクロスでロドリゴが決めて先制。
ただ後半は押し込まれて防戦一方の展開。1st Legの記事で「ヴィニシウスとベリンガムが爆発してくれないと無理ゲー」と書いたが、守備に参加させた事によってヴィニシウスとベリンガムが疲弊してしまう。まさに無理ゲーな展開に。
この時点で「先にヴィニシウスかベリンガムがカウンターで2点目を決めて仕留めるか、失点して崩壊するかのどちらかだろうな」と思っていたら、ドクのクロスをリュディガーがクリアしきれずデブライネに決められて同点に。
「これは厳しいな。アンチェロッティどうするんやろ。」と思ったが、アンチェロッティは清々しいぐらい何もしなかった。強いて言うなら、PK戦までの時間潰しと言うべきか。
結果を見ればアンチェロッティのこの決断は正しかった。実は今季のマドリーは選手層がそこまで厚くない。特に攻撃陣。
おそらく、アンチェロッティがこのレベルで信頼して送り出せる攻撃のカードはモドリッチぐらいだろう。
他のベンチメンバーに目をやると、まずホセルはドリブルで運べるタイプのFWじゃないので、自陣で守備をするこの展開なら機能しないのは目に見えている。ブラヒムは守備に関してはそこそこ計算できるのだが、フィジカルが弱く、判断が微妙なのでこのレベルの相手だとロストが増える。
アルダとセバージョスはおそらく選択肢にすら入ってないだろう。(アルダはポテンシャルを感じるのでもうちょい使って欲しい所だが…)
ハッキリ言って、交代でドクとアルバレスを出せるシティとは雲泥の差。そうなると、この試合でアンチェロッティが動かずにPK勝ちを狙ったのも理解できる。
アンチェロッティ「敵地でシティーに勝つにはこれしか方法がない。」 |
改めて、あの状況で死地に活路を見出したアンチェロッティの冷静さには脱帽だ。